幼稚園教諭が抱える悩みは根が深く、人に相談しにくい内容が多いため1人で抱え込んでしまう人が多い傾向にあります。
1.人間関係
2.労働環境(サービス残業や長時間労働)

この2つの場合が多いのですが、どちらも幼稚園教諭を続けるうえで死活問題となる問題です…
それでは、このような問題を抱えた時に、あなたの力になってくれる人や機関をご紹介したいと思います。
1.人間関係の悩み「いじめ・パワハラ・モンペ」
1-1.保護者の場合
幼稚園教諭が抱える悩みのひとつに保護者との関係があります。
保育に理解を示してくれる保護者が多いなか、「モンスターペアレント(モンペ)」といわれる、問題のある保護者が必ずどのこの園にも必ず1人はいます。
そんなモンペとトラブルになってしまった場合、主任もしくは園長に相談しましょう。
基本的に、保護者とのトラブルは外部に持ち出す内容ではありません。幼稚園の中で解決するのが鉄則です。

モンペの場合、あなたがどう対応したところでトラブルを繰り返します。早い段階で主任や園長に報告し状況を共有しておくことが大切です。
1-2.先輩や園長など立場が上の相手
職員間でのトラブルの中でも厄介なのが「立場が上の相手」の場合です。この場合、職場内で相談して解決することは極めて困難です。
相談するならば、第三者機関しかありません。

誤解で生じたトラブルであれば誰かに間に入ってもらい解決する場合もありますが、いじめや嫌がらせの解決はあきらめたほうが賢明です…
公立か私立かにもよりますが、市役所や各県に設置されている教育委員会、もしくは厚生労働省がパワハラ対策として設置している相談窓口などがあります。
暴力などの被害があれば相談としても伝わりやすく対応もしてもらいやすいですが、なかなか実態の掴めないいじめや嫌がらせはこういった機関でも解決は難しいかもしれません。
あとは、直接の解決にはなりませんが、話を聞いてもらうことでおちつくのなら各市町村に「悩み相談窓口」というものが設けられています。

1-3.同僚や後輩からのいじめ
女性が多い職場ゆえ、ちょっとした嫌がらせや質の悪いいじめを受けることも少なくありません。
「相手にしない」ことで収まることも多いのですが、エスカレートしていき心を病むほど傷つけられることもあります。
自分では解決できないと思った時は、発言権が強く正義感の強い先輩や主任などに相談しましょう。

現場や実情を把握していない園長などにいきなり相談すると大ごとになったり逆に立場が悪くなることがあります。誰が味方になってくれそうかしっかり見極めて相談することが大切です。
2.労働環境
幼稚園教諭が大変とされる、大きな原因のひとつ労働時間の長さです。
まず、幼稚園教諭には『休憩時間』が存在しないことがほとんどです。会社で働く会社員であれば、大抵12時~13は昼休憩。その他、自分の都合に合わせてお手洗いやコーヒータイムなど、休憩をとることが可能です。

休憩どころかお手洗いに行くことさえままならない時も多いですよね…
子どもが帰った後、休憩をとれるかというとそういうこともありません。少しくらいお茶を飲んだりする時間はあっても、きっちり1時間、自分の時間に充てられる。そんな環境の幼稚園はほぼないのではないでしょうか。
労働基準法では以下のように定められています。
<独立行政法人 労働政策研究・研修機構HPより抜粋>
四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇
(労働時間)
第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
(2)使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
-省略-
(休憩)
第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
(2) 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
(3) 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
(平一〇法一一二・一部改正)
簡単に言うと…
1日の労働時間は8時間まで
6時間を超える労働の場合、少なくとも45分の休憩を与える
8時間を超える労働の場合、少なくとも1時間の休憩を与える
休憩時間を自由に利用させなければならない

労働基準法は法律のはずなのに、こんなに守られていなくていいのでしょうか…
もちろん、労働がこの範囲に収まらないことは多々あります。そういった場合には「残業手当」を支給したり、「環境改善」に努める義務があります。
しかし、これが行われず、個人の熱意と責任感に甘え、サービス残業が常態化ているのが、現在の幼稚園の実態です。もちろんこれは違法労働にあたるので、訴える事が出来ます。
では、こういった残業代未払いや長時間労働について、どこへ相談すればいいのでしょうか。
2-1.労働基準監督署とは
各市町村には《労働基準監督署》というものが設けられています。《労働基準監督署 ○○市》とインターネットで検索すれば出てきます。
労働環境の改善にはとても効力のある機関なのですが、実際に是正勧告や指導を行ってくれるかというとそう簡単なことではありません、
なぜかというと、法律はとても複雑にできているからなのです。
あなたの給料明細・雇用契約書・労働条件確認書を一度チェックしてみてください。
そのなかに「みなし労働」や「みなし残業」もしくは何らかの「手当」が記載されていませんか?もしかすると、その中に残業代がふくまれているかもしれません。
こういった場合は「残業代未払い」や「サービス残業」ということにはなりません。なかなか理解するのが難しいところでもあるので、それを含め労働基準監督署に相談するのも手です。

でも、監督や指導が入ったからと言ってすぐに環境が変わるとも言い切れないのが悲しいところです。
3.「職場を変える」という選択肢
残念ながら、人間関係の悪さや労働環境は、個人が頑張ってもなかなか改善しないことが多いでしょう。
・環境が悪いのか
・時間が経てば解決するのか
問題の根本がどこにあるのかを考えてみることも大切です。「自分の頑張や我慢が足りないのではないか」というのが誰もが一番悩むところだと思います。
そいういう時は、「他の幼稚園はどうなのか」と知ると答えがみえてくるはずです。

短大や専門学校時代の友人に職場環境を聞いてみるものいいですし、聞く人がいなければ保育専門の転職サイトに聞いてみるとよくわかりますよ♪
「転職までは・・・」という場合、保育専門の転職支援をしている保育ファインであれば相談だけでも快く聞いてくれるので、一度聞いてみると「世間ではどうなのか」がよく分かると思います。
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